大規模修繕工事を行うにあたり、まずは建物の現状把握が必要です。専門家の調査が入る前に居住者にアンケートを行い、住民の目から見た建物の劣化状況や不便な部分、グレードアップの要望や提案などを調査しましょう。
外壁の汚れ・ひび割れや廊下のシートめくれなど、建物の目立つ場所の劣化状況はもちろんですが、アンケート調査を行うことで、住民だからこそ気付ける目に届きにくい場所の劣化や不具合を見つけることができます。また、優先的に修繕しなければならない項目を決める判断材料にしたり、住民の大規模修繕への関心を高めたりといった効果も期待できます。
住民へのアンケートを行っても、回収率が悪く返答が少ないと、あまり意味がありません。そうならないためにも、アンケートの内容はできるだけわかりやすく簡潔に、質問方式やチェック方式にするなど、相手が答えやすい作り方を心がけましょう。自由回答の方がいいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、漠然とした質問では漠然とした答えしか返ってこない可能性があるため、自由回答欄のみ、というアンケートは避けた方が賢明です。