そもそも塗装業界における職人育成は徒弟制でした。師匠と呼ばれる職人さんのもとで、掃除を1年。ペーパー掛けを1年。3年目ににやっと刷毛(はけ)を握り、下塗りを覚える。下地をならしたら下塗りをし、ペーパーを掛け、上塗りをし…。1~10まで手作りの世界なので非常に時間がかかりました。しかし、この長く丁寧な下積みが、職人の製造品質を飛躍的に高めることができたと思います。昨今はどうでしょうか。塗料の性能が上がり、工法の開発も進んだことで、時間の問題は概ね解消しました。その一方で、職人の品質が大きく低減。「誰がやっても同じ」という風潮ができてしまいました。このままで良いのかについて話し合いをしました。
開催概要 |
講師 村上勇二 ●塗装業の需要について ●塗装業界の下請構造について ●工法と材料による品質向上の限界について ●職人の技と管理手法による製造品質の向上の可能性について ●長持ちさせることのできる職人の評価向上を目指して |
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日時 | 平成28年10月12日 |
会場 | 練馬区役所 20F |
長期間にわたって塗装を長持ちさせることができるのかという「製造品質」が評価される世の中をつくっていくことで、腕の良い職人さんに注目が集まります。施主さんや工事会社、ゼネコンがこぞって彼らを採用し、囲い込むことによって安定した雇用が生まれます。そして、そのポジションを獲得したいと思う職人さんは、より一層、自身の腕を磨くことに力をいれていくのではないかと思っています。15年周年を迎える私たちNPO匠は、その実現に向けて走り続けていきます。