部屋の前にゴミを置くことが、どこまで不当使用とされるかは難しいところです。一時的にゴミを置かざるを得ない場合は許容範囲だと判断され、不当使用にあたらない場合があります。
ただし、通行の迷惑になるほど大量のゴミを置いている、衛生面や安全面に不安があるような私物やゴミが置かれている、というような場合は明らかに共同の利益に反します。悪臭や害虫の発生、放火をされる可能性もありますので、早めに対策したい問題です。
玄関前のスペースは、各家庭に専用使用権が認められていることがほとんどです。ただし、共同の廊下と面しているため、ほかの住人の利益についても考慮しなければなりません。建物の区分所有等に関する法律第6条(通称:区分所有法)により「建物の保存に有害な行為や共同に利益に反する行為」が規定されているためです。
本人が迷惑をかけている自覚がない場合もありますので、まずは迷惑であるということを直接本人に伝えることが大切です。その場合は個人の感覚ではなく、実際の被害を伝えると効果的。
ただし、住人が直接注意をすると、その後の関係が悪くなってしまうことも考えられます。管理組合から間接的に注意をしてもらうのがよいでしょう。あまりに不衛生・危険な場合は警察や消防署、保健所に通報するという手段もありますが、事件性がないため積極的な対処が期待できないかもしれません。
専用使用権とは本来は共用部分である建物の一部を、特定の人だけに使用権を認めるというものです。しかし、自由に使える権利があっても共用で使用する部分であるということは忘れてはいけません。
同様のケースとして、ベランダや専用庭の使用方法もしばし問題となります。例えば、ベランダはその部屋に住む住人にしか使えないスペースではありますが、非常時に避難経路として使用されることがあるため、物置などを置いてはならないというような規約が定められているはずです。