マンション標準管理規約では、年に1回以上管理組合の集会、または総会を行うよう定められており、予算や決算の報告、あらかじめ決められていた議題の決議を行います。その際、不在の区分所有者の意思表示となる、委任状に関わるトラブルと解決策をご紹介。
集会を開催するにあたり、集めた委任状の中に電子メールによる委任依頼(紙に印刷した物)があり、押印もなかった場合有効となるのでしょうか。法的には、委任状に押印は必要とされていないので、管理規約の中にそのような規定がなければ、押印がない委任状も有効となります。また、自署による姓名の記載も必要ありません。大切なのは、その委任状が本当にその方が委任したものであるかどうかということです。偽造の疑いがある場合には、委任者本人の意思を直接確認するようにしましょう。
管理組合の運営というものは、互いの信頼関係で成り立っている任意団体の組織です。そのため、組合員の登録に身分証明書の提出といった義務もありません。厳密な組織にするのであれば、組合員の登録に資格証明書や住民登録票などの書類を提出し、委任状にも細かい規定も必要になりますが、それは管理組合という組織の本質に合いません。そのような理由から仮に電子メールの委任状や署名、押印のない委任状は無効だという区分所有者がいたとしても、その主張を受け入れる必要はありません。