2011年6月、NPO匠のウレタン防水 施工品質管理3級実技試験(プライベートライセンス)にトライした6人の腕自慢の職人さん(経験年数5年~15年)は自信満々で試験会場に向かった。会場内で受験者を待ち構えているのは、以下の試験内容である。
受験者はいつもの現場通りと思える様な手際で作業をこなし片づけを終えたあと、他者の試験台を余裕の横目遣いで眺めて会場を後にした。
二日目より工程ごとのウレタン防水硬化膜厚測定の結果説明から始まる。少し緊張気味に説明を受ける受験者は、それぞれの結果に一様に肩を落とす。余りのショックなのだろうか説明終了後の質問は一切ない。(因みに膜厚測定は受験者立ち会いで実施している)
10分間の休憩の後、2工程目の作業に着手する。初日と比べて動作が慎重となり作業に倍以上の時間を要する。そして、受験者は片づけを終えると一目散に自分の試験台に戻り鋭い目付きで出来栄えを確認している。今日、受験者の眼差しが緩むことは一切なかった。
開場30分前から待ち構えていた受験者に2工程目のウレタン防水硬化膜厚測定の結果説明が始まった。真剣に聞き入る受験者にはそれぞれに期待する結果があるのだろう。だが、残酷にも結果は期待に反していた。しかし、説明が終わるや否や受験者は問題点を正確に掴み取ろうと矢継ぎ早に質問を投げかける。
大幅に遅れた休憩の後、3工程目の作業は始まった。作業は二日目にも増してスローペースとなる。片づけが終わった受験者は自分の試験台の前に立ちゆっくりと深呼吸をした。その後、静々と会場に一礼して退場した。
3工程目の調整効果により試験に合格できるのか。試験官より受験者に粛々と成績表が手渡された。受験者の多くは試験結果を冷静に受け止めている。結果は全員不合格だった。
なお、受験者は悲喜交交の4日間であったと振り返り、正真正銘の一流防水職人の証を立てるために来年も自費で再挑戦すると言う。
■試験内容
注)もちろん、許容範囲は設けています。