長期積立分譲マンション(所有権保留型)とは、昭和30年代~40年代に供給されたマンションで、購入者が購入資金の借入相当額までの返済が完了するまで、住宅と敷地の所有権が住宅供給公社に保留されているマンションです。そのため、購入者の返済期間が終わるまでは購入者はマンションの区分所有者となることができません。
こういった長期積立分譲マンションも建替えを行うことは可能ですが、まだ住宅供給公社に所有権が留保している所有者がいる場合、その区分はマンションの所有権が住宅供給公社と譲渡予定者の両方に分属している状態と言えます。
さまざまな手続きや協議が煩雑化してしまうので、まだ所有権を保留されている返還未完了者に対して繰り上げ返還を求め、譲渡予定者が完全に区分所有者となってから建替え決議を行うことをおすすめします。
どうしても返還を行うことができず住宅供給公社に所有権が留保されている状態で建替え決議を行わなくてはならない場合は、住戸の議決権をどう扱うか、住宅供給公社と事前に協議を行うことが必要です。
また、長期積立分譲マンションは35年または50年を返済期間としているため、返還期間が満了に近づいているマンションも多くあります。もし、あと数年で返還期間が満了するならば、返還満了後に事業スケジュールを立てるのも1つの方法です。