負担なしで現状と同じ大きさの住戸に入りたい場合の対処

これで円滑!マンション建替えガイド

負担なしで現状と同じ大きさの住戸に入りたい場合

マンションの建替えで「マンション住民の自己負担がない、もしくはほぼ必要ない」というケースは、景気が良かった過去の話となりました。現在、マンション建替えのほとんどは住民の費用負担なしには成り立ちません。

マンションの建替え費用

マンションの建替えは新しいマンションの建設費用だけでなく、「建替えをするか、大規模修繕をするか、ということについて判断するための調査費」や「旧マンションの解体・整地費用」、「緑化の費用」、「外部工事の費用」、「マンション住民の仮住居費用」、「税金や登記に要する諸費用」などがかかります。

建替え費用を負担しなくても良いケース

住民の負担なしでマンションの建替えを行うには、建替え資金をどれだけ捻出できるかということが問題となります。建替え資金を作るためには、「現在よりマンションの部屋数を増やして大きく作り直し分譲する」、「現在空室である部屋を新たに分譲する」という方法がありますが、建築基準法が改正されて高さ制限や日影制限が厳しくなった今、建替え前よりマンションを大きくできる事例は稀です。むしろ部屋数が減ったり居住面積が狭くなったりしてしまうケースが多数のため、建替え資金として期待するのは難しいでしょう。

ただし、現在マンション容積の余剰が十分にあり、好立地の場所に建っているなど分譲しやすい条件が揃っているマンションであれば、分譲によって建替え資金をまかなうことができるため、現在と同じ広さの専有面積を負担なしで確保できる可能性があります。また、マンション周辺にある隣接地を加えてより大きなマンションを建てることができれば戸数を増やすことができますので、分譲の利益を見込むことができるでしょう。

建替えの際にマンション住民がどのくらいの負担をしなければならないかは、建替えたあと外部に分譲できる住戸がどのくらいあるか、住戸をいくらで分譲できるか、隣接地を購入することができるか(購入できた場合、その金額はどのくらいになるのか)、などの条件によって変わりますので、マンションの特徴や背景、環境などによって大きく異なります。そのため、金額の検証が複雑になりますので、専門のコンサルタントなどに相談して検討するとよいでしょう。

大規模修繕を行うという選択肢も

マンションを完全に作り変える建替えでなく、建物を残したまま内装部分の大規模修繕を行うという方法もあります。
マンションの建替えまでは必要がないケースに限られますが、建替えに比べ70%ほどの費用で修繕を行える場合があります。その際も専門家などに協力を依頼し、入念な建物調査は必要になります。

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