建替え計画の検討と調整について

これで円滑!マンション建替えガイド

建替え計画の検討と意見交換による計画の調整・修正

建替え計画は一度作成したらそれで終わりではありません。マンション住民(区分所有者)の希望により近づけて同意を得るため、計画の調整や修正を意見交換の中で行うことが必要です。

建替え計画策定前の意向把握

マンションの外観や高さ、敷地や設備のあり方、共用スペースの作り方、将来の可能性など新しいマンション全体の計画に関するものと、建替え事業への賛否や一時金の負担可能額、住戸の間取りといった、それぞれの世帯に関するものに分けて意向調査を行います。

この意向把握はプライバシーに関わる部分や本音を把握する必要があります。アンケートを行うより、直接会ってヒアリングを行うほうがより深い意見を吸い上げられる場合があります。専門家とよく相談し、意向調査の適切な方法を検討するようにしましょう。ただし、すべてを専門家に任せるのではなく、計画組織メンバーがアンケートの配布や改善を行うなど、コミュニケーションを取りながら進めると効果的です。

また、建替え計画は事業性を前提として策定されますので、すべての区分所有者の意見が計画に反映できるわけではありません。そのため、各区分所有者の「絶対に譲れない点」と「ここまでなら譲れる点」についても把握するようにします。

建替え計画案の作成

建替え計画案は、区分所有者の希望を反映させながら、事業性を考慮しながら作成します。専門家の力を借りて行い、建替えの基本的考え方や建物のレイアウト図、事業計画、建替えのスケジュール、仮住居、必要な経費などについて策定するのが一般的です。

マンション住民(区分所有者)の意見と事業性だけを重視すると、経済性だけが追求された建替え計画となり、建物の質や良好な市街地環境の形成に悪い影響を与えてしまうことがあります。そのため、専門家や事業協力者は総合的に良好な建物、環境を作るような提案を行うことが求められます。

建替え計画案の調整

作成した建替え計画案は説明会を開催したり冊子を作成して配布したりするなど、各区分所有者全員に行き渡るように提示します。同時にアンケートやヒアリング、意見交換会などを行いながら、建替え計画案の評価や意見、希望、要望などを整理しましょう。こうして集まった意見を踏まえて公開で議論し、計画を練り上げます。

説明会や文書作成をする場合は、検討段階の場合と同様に専門知識を持たないマンション住民にも理解ができるようなわかりやすい説明を行うことが必要です。

建替え計画の資金負担

各区分所有者の建替えによる一時金の負担は、建替え計画の中でもっとも注目されている事項です。各区分所有者の費用負担が大きくなる場合は、合意形成を得ることが困難になる場合がありますので、専門家にさまざまな対策を提案してもらうようにしてください。

不安事項への対応

賃借人への対応や建替えにともなう税金、仮住居先の確保、住所を担保に融資を受けているなど、区分所有者に建替えを躊躇させる理由がある場合、専門家のサポートを受けながら情報提供などを行い、不安解消に努めなくてはいけません。

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