マンション建替えで受けられる税制上の優遇

これで円滑!マンション建替えガイド

税制上の優遇

マンションを建替える際にも一般の住宅税制一般が適用されます。具体的には「不動産の譲渡所得に対する課税」や「登録免許税」、「不動産取得税」、「特別土地保有税」などの税制です。

従来、この課税の負担が高くマンションの建替えがままならないということがありましたが、平成13年にマンション建替え円滑化法が制定され、この法律にもとづいた建替えには税の免除や軽減が受けられるようになりました(マンション建替え円滑化法第5款「税法上の特例」)。

マンション建替事業の権利変換にともなう特例措置

譲渡所得税 「譲渡所得税」とは、不動産の譲渡によって生じた所得についてかかる税金です。
マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、権利変換手続きでマンション内の住戸を取得した場合、以前に住んでいた住戸については譲渡がなかったものとみなされ譲渡所得税がかかりません。
登録免許税 「登録免許税」とは、不動産の登記を行う際に固定資産税評価額に対してかかる税金です。マンション円滑化法にもとづく建替えで、権利変換処分にともなって新しいマンションの住戸を取得した場合は、以前の資産評価額を限度として非課税となります。
また、「権利変換計画の開始の登記」も非課税です。
不動産取得税 「不動産取得税」とは、不動産を取得する場合に固定資産税評価額に対して課せられる税です。マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、権利変換にともなって取得する土地価額の5分の1相当額が控除されます。
特別土地保有税 「特別土地保有税」とは、一定規模以上の土地を保有、取得に対して課せられる税です。マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、権利変換にともなって取得する土地は非課税になります。
事業所税 「事業所税」とは、指定都市などに所在する一定規模以上の事務所に課せられる税です。マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、権利変換にともなって取得する事業所は非課税になります。

マンション建替事業にともなって転出する者にかかる特例措置

譲渡所得税 マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、建替えに反対して転出する者が区分所有権を売り渡すときに発生する所得について軽減税率が適用されます。
さらに、転出者が「やむを得ない事情」(※)で転出する場合には、譲渡所得に対して1,500万円の特別控除を受けることができ、控除後の金額に軽減税率を適用することが可能です。
なお、個人(法人は不可)が住宅用財産を譲渡した場合に譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度がありますので、上記の制度と比較して有利な方を選択することが可能です。
不動産取得税 マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、建替えに反対して転出する者が事業を継続するための土地を取得したときは、土地価額の5分の1の不動産取得税が控除されます。
特別土地保有税 マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、建替えに反対して転出する者が事業を継続するための土地を取得したときは、特別土地保有税が非課税となります。
事業所税 転出者が「やむを得ない事情」(※)により転出するとき、マンション円滑化法にもとづく建替えの場合、従前使用していた事業所の床面積相当分に応じて事業所税が控除されます。

※「やむを得ない事情」とは、例えば高齢者や身体障害者が新しいマンションで生活ができない場合や、新しいマンションが旧マンションより小規模で転出せざるを得ない場合などです。

マンション建替事業の施行主体にかかる特例措置

マンション建替組合の事業に対する課税 「マンション建替組合の事業に対する課税」とは、法人の事業活動から生じた利益について課税される、法人税や事業税のことです。マンション円滑化法にもとづく建替えで設立されたマンション建替組合が非収益事業として得た所得は非課税となります。
登録免許税 マンション円滑化法にもとづく建替えで、建替組合などが転出者から売り渡された資産や保留床について、登録免許税が非課税となります。
事業所税 マンション円滑化法にもとづく建替えで設立されたマンション建替組合が、非収益事業を行う事業所は事業所税が非課税となります。

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