区分所有法における団地についての規定は、区分所有法が改正された昭和58年以前には改善余地が多くありました。
具体的には、団地内に数棟の建物があり土地や附属の施設を建物の所有者で共用している場合でも、各建物の所有者や区分所有者において管理を行うことを原則としていました。
しかし、団地内の建物や敷地・附属施設のすべてを団地全体で管理したいという要望が強くあったのを受け、昭和58年に法改正が行われました。それぞれの建物として管理するより、複数の建物を全体で管理した方が便利で団地特有の問題にも対策しやすくなるからです。
昭和58年に区分所有法が改正された後も、団地内の区分所有権物の建替えについては特に規定はありませんでした。そのため、平成14年の区分所有法改正の際に第69条「団地内の建物の建替え承認決議」と第70条「団地内の建物の一括建替え決議」が新しく新設されています。
この法律が新設されたことにより、全体で敷地を共有している団地の中でも「全棟が区分所有マンションで各棟も団地全体で一括管理している場合」、「全棟が区分所有マンションであるが各棟は棟ごとに管理している場合」、「区分所有マンションと賃貸住宅や戸建住宅が混在している場合」などのタイプの団地に応じた建替え方法が制定され、建替えの規定が明瞭化しました。