仮住居を個人で負担するか事業の中で負担するかは、建替えの内容によって異なります。還元条件が恵まれている建替えの場合は仮住居費用が事業の中から支払われることになりますが、一般的には個人の負担とされている場合が多いようです。
まず、事業費で仮住居費用をまかなったとしても、結果的に各自が間接的に負担することになります。マンション管理組合が仮住居費用を負担する場合も、その資金は各区分所有者より徴収している場合がほとんどです。また、各区分所有者により仮住居に対する希望や条件が大きく異なり、不公平となってしまうこともあります。
仮住居の費用を負担することになった場合、家賃以外にもさまざまな費用や手間を想定しておかなければいけません。仮住居への引越し費用(マンション完成時に再移転)、仮住居へ荷物が入りきらない場合のトランクルーム代金、仮住居の敷金や礼金も必要です。
「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」により、賃料の安い都営や市営の公営住宅を紹介してもらうことができます。ただし、建替えの時期などによって紹介してもらえる物件は異なり、条件によっては紹介を受けられないケースもがあります。
また、割り当て個数、提供地域などに制限がある場合や、応募多数の場合は抽選になる場合もありますので、確実に公営住宅に入れるというわけではありません。