大規模修繕、改修、建替えを判断する

これで円滑!マンション建替えガイド

修繕か改修か建替えか

築年数が長くなるほどマンションは劣化し、さまざまな問題が発生します。未然にトラブルを防いだり、建物の寿命を長持ちさせたりするためには、適切なタイミングで修繕や改修を行うことが必要です。

しかし、相当の年数が経過してマンション自体の老朽化が大きなものになってしまうと、修繕や改修にかかる費用が過大になることが避けられません。また、修繕や改修ではマンション自体の構造や間取りを根本的に変えることができないため、解決できない問題も発生します。このような場合は、マンションの建替えが必要です。

修繕

時間経過などで傷んだり劣化した部分を、実用上支障がない状態まで回復させたり取り替えたりすることです。特に大規模なものは大規模修繕とよばれます。

マンションの修繕は建築当初の性能や機能を回復させることが目的で、管理組合で定めた修繕計画に基づいて行われます。建替えに比べ費用が安く済みますし、住民の一時引越しなどの必要もありません。ただし、部屋の間取りを変える、耐震性を高めるといった、建物の根本に関わるような改善を行うことは、修繕だけでは難しいこともあります。

改修

マンションの機能を回復させるのが修繕ですが、改修はマンションの機能や性能を負荷するための工事です。エレベーターなどの設備機器を追加したり、増築を行ったりします。単純な修繕より費用はかさみますが、住民の一時引越しなどの手間は不要です。修繕と同様に、耐熱性・耐震性の向上や専有面積の拡大などの改善は難しい場合があります。

建替え

マンションを新しく作り直すことです。修繕や改修よりも費用がかかり、住民にも一時引越し、一時金の支払いなどの負担がかかります。ただし、住戸の間取りを時代の主流に合わせたものにしたり、耐震性を高めたりと、修繕だけでは解決できない根本的な問題を解決することが可能です。また、劣化が著しいマンションの場合は部分的な修繕や改修を行うよりも費用がかからず工期も短い場合もあります。

あなたのマンションに適した方法は?

マンションの問題を解決するための修繕、改修、建替えの判断は個別の事情が異なるため、一律的に行うことは不可能です。それぞれのマンションの老朽度や住民の不満、ニーズなどを踏まえた上で行わなくてはなりません。
また、修繕、改修、建替えのケースでかかる費用を概算し、修繕積立金の残額、マンション住民の自己負担額、借入可能な金額などを鑑みた上での総合的な判断が必要です。

ただし、いずれも適切なタイミングで修繕や改修、建替えを行うこと必要です、時期を逃してしまうと、住民がより良い住環境を求めてマンションを出ていってしまうということが考えられます。その状態が続くとマンションの居住者がどんどん減ってしまい、修繕や改修、建替えがより困難になるという悪循環になりかねません。

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