管理組合の集会において、建替え検討の合意が得られれば、次の段階として正式な検討組織を設置して管理組合としての正式な検討が開始されることになります。
組合組織の運営は理事会と連携しながら行い、活動の内容を報告するようにしましょう。
検討組織は、最初から建替えを行うことを前提に検討するのではありません。現在の問題が建替えでどのように改善するか、建替構想の検討、大規模修繕や改修との比較などを行ったうえで建替えの必要性を確認し、建替え計画を提案、マンション住民(区分所有者)の合意を得ることが目的です。
そのため、検討組織の活動目的はマンション住民に周知を行っておきましょう。また、建替えの検討を進めていくうちに、結果的に大規模修繕や改修を行うべきということが決議されることも大いにあります。
検討組織は、オープンな運営を行うことが重要です。そのため、全区分所有者に対して会議を公開で行い、興味を持っている人が誰でも話を聞くことができるようにしましょう。また、組織が検討している内容が周知されるよう、検討組織の広報誌などを作成して区分所有者に情報発信するのも効果的です。
前述しましたが、検討組合は建替えありきで活動をするわけではなく、大規模修繕や改修の可能性も視野にいれながら検討を行うことになります。
場合によっては大規模修繕・改修が行われることが決議され、建替えが行われない可能性も考えられます。
その間、建替えを行うつもりで修繕を行わなかったり、どちらにするか決めないまま規模の大きい修繕工事を行ったりしてしまうと、予算や劣化の問題が大きくなるなど、さまざまなトラブルが発生する要因にもなります。
建替えが検討されはじめてからのマンションの修繕は、より計画的に着実に行わなくてはなりません。