建替えを検討している段階で、建替えや大規模修繕の計画案を作成したり、事前調査や合意形成などの業務が発生したりしたときは、修繕積立金を使うのが一般的です。ただし、修繕積立金から建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額は除かれます。
また、修繕積立金に将来的な建替え費用までを盛り込んでいるというケースは非常に稀といえるでしょう。通常修繕積立金は住民の負担を考え、外壁の塗装や設備の点検などの日常的な補修を前提としたものがほとんどです。
修繕積立金がない場合や、修繕積立金の利用についてマンション住民が反対の意思を示した場合は、修繕積立金とは別に資金を作ることをおすすめします。資金の作り方にはさまざまな手段がありますが、マンション住民から個別に回収したり、協力者から借り入れたりする方法が一般的です。
また、調査設計計画費などは住宅金融公庫の都市居住再生融資、初期資金融資を利用することも可能です。
標準的なマンションの管理規約には、修繕積立金を建替え・大規模修繕の際に検討を行う費用として流用する旨の規約が盛り込まれていますが、中には規定されていない場合があります。もしも、管理規約に記載されていない場合は、修繕積立金を建替え検討費用に流用できるよう、管理規約の改正を行いましょう。