マンションの大きさや事業費用などの基礎的検討

これで円滑!マンション建替えガイド

事業性を考慮した建築計画の基礎的検討

新しいマンションが旧マンションと比べてどのくらいの大きさになるのか、費用はどのくらいかかるのか(マンション住民の負担はどの程度か)ということは、マンション建替えを検討するにあたり最初に考えておきたい事項です。
このことは、マンションの事業性を考えるうえでもっとも重要なポイントといえます。

新しいマンションの大きさ

新しいマンションの大きさは、「建ぺい率」、「容積率」などによって上限が決まります。「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の割合のことです。用途地域ごとに上限の数値が制限されており、建ぺい率が高いほど敷地ぎりぎりまで建物を建てることが許可されています。
「容積率」とは敷地面積に対する、建物における延べ床面積の割合のことです。
建ぺい率同様用途地域ごとに上限の数値が制限されており、容積率が高いほど大きな建物を建設することができます。

建ぺい率と容積率は、地方公共団体にある「都市計画図」で調べることが可能です。
「容積率÷建ぺい率」でその敷地に建てることができる高さの最大値が、「敷地面積✕容積率÷100」で延べ床面積の最大値が求められますので、マンションを建替えた場合、最大でどのくらいの大きさにすることができるかがわかります。

事業費用の大まかなつかみ方

今と同じ規模のマンションに建替える場合、「旧マンションの解体費+新マンションの建築費」で主な事業費用を計算することができます。旧マンションの解体費は、「旧マンションの延べ床面積✕解体単価」、新マンションの建築費は「新しいマンションの延べ床面積✕建築単価」で求めることが可能です。
マンション住民で建替え費用を負担する場合は、「旧マンションの解体費+新マンションの建築費」の価格を今のマンション戸数で割った値が、1戸あたりの大まかな負担額となります。

新しいマンションが今より大きなマンションを建てることができるなら、保留床が発生します。
保留床とは、建替えによって新しくできた住戸のうち、マンション住民(区分所有者)が取得する住戸を除いたものです。
この住戸は分譲して処分することで、事業資金に充当することが可能です。

保留床がある場合は、「旧マンションの解体費+新マンションの建築費」から「増えた床面積の販売額」を除いた額が建替えの事業費用となり、1人あたりの負担が少なくなる可能性があります。「増えた床面積の販売額」は、近所の新築マンションの販売価格を参考にするとよいでしょう。
ただし、現在は法律の改正などにより建替えで大きなマンションを作ることは難しくなっています。

新しいマンションが今より小さなマンションになる場合は、負担する金額は今と同規模のマンションを建築するよりも当然大きくなります。また、必要な経費も増えて計算も複雑になりますので、専門家に相談したうえで、見積もりを出すようにするとよいでしょう。

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