検討組織の設置は、目的や役割を周知したうえで、管理組合理事会が参加者を募ります。この検討組織の参加者は勉強会に参加していた人や日頃から熱心に活動している人が中心になりがちです。
しかし、いつも固定的なメンバーで勉強や議論を行っていると、その他のマンション住民との意識が離れてしまい、合意が得られづらくなってしまう可能性があります。また、一部の人だけで建替えの検討が進んでいるようにも見え、事業への信頼性が疑わしくなってしまうことにもなりえます。
建替えに消極的な方や今まで組合活動をしていなかった人など、広い範囲で人選を行うようにしましょう。公募などでメンバーを集めるのも1つの方法です。また、号棟や階、年齢、性別、家族構成などが偏らないように人を集めると、さまざまな目線から意見を集めることができます。
また、マンション住民の中に建築や法律などの専門家がいる場合は、組織メンバーに積極的に加入してもらうことが効果的です。専門的な立場から助言をもらうことで検討がスムーズになりますし、外部の専門家が行った業務の妥当性を検証することも可能です。
組織のリーダーや主要な役員は、この検討組織のメンバーから選出されることとなります。
普段から管理組合活動を活発に行っており、信用がおける人を選ぶようにしてください。
検討組織の定員はマンションの区分所有者数等によっても異なりますが、人数が多すぎると組織の中で意見を集約することが困難になります。10~15人程度のメンバーで構成し、適宜交代できるようにしておくようにするとよいでしょう。
検討組織の活動を行っているとはいえ、報酬を設定すると特定のマンション住民が利益を受けることでほかのマンション住民から反感が出るかもしれません。
そのため、基本的には検討組織の活動があったとしても無報酬とした方がよいでしょう。