建替え決議に向けて建替え計画を説明し、大多数の区分所有者が建替えに賛成したとしても、中には建替えに反対する区分所有者もいます。建替え決議の成立のためには、非賛成者への対応は非常に重要です。
建替えに反対している区分所有者の賛成できない理由を正確に把握し、その要因に対して解決方法や可能性を検討し、できる限り多くの区分所有者が建替えに参加してもらえるような計画にしなければいけません。
建替えに反対している区分所有者は、「反対者」や「非賛成者」と呼ばずに「まだ賛成してくれていない者」として扱うようにしましょう。また、意見などの調整を行う中で賛成者と非賛成者の間で意見の食い違いからの対立がないよう配慮することが大切です。
建替えに賛成できない理由はさまざまで、最初から反対を決め込んでいる人もいれば、経済的な理由から反対している人、計画の内容に満足できない人、引越しが嫌な人、建替え検討委員会のメンバーが嫌いだから反対している人などもいます。賛成できない理由について、何が引っかかっているのか、どんなことが問題なのかという原因を明らかにし、それぞれの人に合った対応をとるようにしましょう。
この「賛成できない理由」を調査するためには、計画組織が直接調査を行ったほうが良い場合と、第三者の専門家が対応したほうが良い場合があります。状況に応じて対応を行うようにしてください。
非賛成者が賛成できない理由の中で、計画組織や専門家の努力によって解決ができる場合はできる限り対応するようにしましょう。
当事者から賛同が得られるのはもちろんですが、非賛成者意外の区分所有者が声に出さないだけで同じ不満を抱えている場合も考えられます。全員の建替えに対する満足度を高めるためにも、挙げられた不満には真摯に対応してください。
また、建替え計画を変更しても解決できない問題の場合は、理解を求めるために適切な説明を行いながら問題を解決するようにしてください。できれば、専門家やコンサルタントに協力してもらうことが望ましいです。
普段不在にしている区分所有者には、郵送や書類だけで建替え計画について伝えるだけでなく、電話をしたり実際に会ったりして、できるだけコミュニケーションをとることが大切です。不在にしている区分所有者が建替えの非賛成者の場合は、なぜ不在にしているかの理由や事情も踏まえた上で対応に当たるようにしましょう。